色々ありました

 令和3年の調査士試験に合格して以来、投稿が止まっていましたがその間に色々ありました。

・予備試験の勉強
 銀行の役職定年まであと数年あります。登記業界に転職するまで力が落ちないよう、あくまで生涯学習的に予備試験に挑戦してみようと思いました。
 早速アガルートさんのインプット講義を購入して受講を開始したところ、司法書士試験と予備試験(司法試験)の質の違いを思い知らされました。司法書士試験は知識量勝負で、必要な知識の量は実に膨大です。瞬時に正誤を吐き出す力が問われます。一方、予備試験(司法試験)は知識量に加えて徹底した「論理力」が問われると思いました。知識が曖昧でも択一式試験は解けますが、理解や論理展開が曖昧だと論文式試験は全く解けません。「自分は法律家のモノの考え方・法律文書の書き方を全く分かっていなかった(裁判書類作成業務は司法書士の本来業務なのに)」と大いに反省させられました。まだ民事系しか終わってないですが。
 一方で両登記法の知識喚起も開始しました。田畑先生(辰巳)の「記述式問題集60」と森山先生(LEC)の「ケータイ司法書士(記述式)」を回すのがもってこい。これに加えて「オートマ先例集」(TAC)での知識補充が勉強になりました。

・関東へ転勤
 住み慣れた大阪を離れ東京へ転勤し、親を介護するために実家に戻りました。大阪には司法書士試験合格同期の知己が大勢います。新人研修や青年会での交流もありました。仕事は最前線の店頭現場で法律知識を駆使することができました。日々の生活でも近所の方々に良くしていただき、公私ともに良い思い出ばかりなので大阪を離れるのは本当に辛かったです。

・親の急逝
 介護のために戻ったのにその親が急逝してしまいました。
 親の死は初めての経験で目の前が真っ暗になり、自らの人生観・死生観・家族観を大きく揺さぶられました。人が1人この世から居なくなるとはこういうことなのかと大きな衝撃に襲われたり、葬儀の準備の中で露わになった兄弟間の価値観の相違が大きなストレスになったりしました。またあまりに煩雑な各役所における諸手続きにも茫然としています。「相続」という言葉は現職でも試験勉強でも聞きなれた言葉で、相続ときたら戸(除)籍謄本の収集・相続人全員の確定と合意の確認…と為すべき「作業」が脳裏をよぎります。でも遺族は今私が味わっているようなとてもしんどい状況を経て、やっと銀行窓口や司法書士のところに辿り着くのだと思い知りました。職場でそのような気遣いが出来ていなかった、ご愁傷さまでしたと枕詞として言う台詞が「口だけ」だったと大きく反省しました。
 ときに介護は1日いや数時間と目を離せない状況なので、どうしても急な欠勤や早退遅参を伴います。大きな金融機関ならともかく一般の司法書士事務所や司法書士法人でそれが許されるはずもなく、これでは登記業界への道は当面諦めるほかないと思っていました。なのに親がまるで私の足手まといにならないよう私の背中を押すかのように急逝…。
 今は親の死を受け止められずに頭が混乱しています。安定した銀行員の職を捨てて良いのか。この不景気に、登記件数が右肩下がりの時に登記業界に身を投じるのは無謀ではないのか。ただこのタイミングでの親の死が私に何かを示しているような気もするのです。

 

 そんな状況で今は勉強もストップしています。でも今が人生のターニングポイント・踏ん張りどころかもしれないです。心身が崩れないよう踏みとどまっていきたいと思います。またご縁があって日本組織内司法書士協会や日本登記法学会に参加させていただくことにもなりました。登記業界への道を閉ざさぬよう歩んでいきたいです。