調査士口述試験終わりました

 本日、令和2年度土地家屋調査士口述試験を受験してきました。

 口述試験は法務局において、午前と午後に分かれて実施されます。司法書士試験の時は午前組でしたが、今回は午後組です。くじで試験順を引いたところ僕は3番目で、これは案外早く終わるなと思いました。

 自分の順番が来て受験番号(印象深い筆記試験の受験番号ではなく口述試験の受験番号。入室したら受験票を見られないので覚えている必要があります。)と氏名・生年月日を述べ、一旦マスクを外して試験官による写真との照合が終わると質問が来ます。

 正直ボロボロでした汗。答えられない時は助け舟が来るとか、和やかなムードだとか聞いていたけれど、実際は全然違いました。答えに詰まって大汗かいていてもシーンとしてるだけだし、試験官は「うーん」という感じの厳しい表情。どんな調査士になりたいですか?みたいな自分の夢を述べる機会もなかったです。頭が真っ白になったので質問内容を全部覚えてないのですが、概ねこんな質問でした。

・分筆、合筆登記の申請人
・合筆はどのように記録されるか
・床面積の定義
・建物図面の記録事項
・筆界の定義
・調査士の業務
・依頼応諾義務がある理由

 特に「床面積の定義」は「え?床の面積じゃ…」と何も言えないまま時間を浪費しました。それで動揺してしまい、続く「建物図面の記録事項」も頭が真っ白になってボロボロ。何とも後味の悪い口述試験になりました。


 そうして調査士試験は終了。あとは最終合格発表を待つばかりとなります。本当にお疲れさまでした。

調査士試験筆記試験合格しました

令和2年度の土地家屋調査士試験筆記試験。

苦しかったけれど、合格できました。

 

R2成績

択一50.0点(基準点32.5点)

記述41.0点(基準点30.0点)

合計点91.0点(合格点71.0点<上乗せ点8.5点>)

 

 いわゆる「択一逃げ切り策」が奏功して、全国順位で3位という自分でも驚く好成績でした。調査士試験としては一発合格ですが、長年掛かった司法書士試験対策での蓄積(民法不動産登記法[総論]・司法書士法[調査士法と類似])が効いたためで、いわゆる短期合格者とはちょっと違います。

 「今年ダメならまた来年」とライフワークとなっていた司法書士試験対策と異なり、一発合格を目指した調査士試験対策は本当にきつかった。認定考査対策と併行して始まった2019年春からの測量士補試験対策、2019年秋からの調査士試験対策・・・。
 実はその頃、実家の老親の状況は悪くなり、会社では組織再編真っ只中という状況で、心身ともきつくなる一方でした。お陰で本試験前1週間から体調を崩し寝込んで、本試験会場入口に設置された体温計測を突破できるかが直前期の最大懸念になるくらい。

 

 そうして本試験を終えた後は本格的に寝込んでしまい、会社の同僚にも本当に迷惑を掛けました。いまなお復調の途上です。思えば司法書士試験(行政書士試験・管理業務主任者試験・マンション管理士日商簿記1級)→認定考査→測量士補土地家屋調査士と続いてきた資格試験への挑戦の大トリが今回の調査士試験だったわけで、おそらく長年の疲れが出たんだと思います。

 

 勉強を続けてこれたのは勉強時間捻出に協力してくれた会社の同僚や実家の家族をはじめ、予備校の先生方、励まし合ったネットの友人らのお陰です。本当に、本当にありがとうございました。

 2週間後は口述試験。落ちることはないと言われていますが、僕としては連綿と続いた資格試験対策の卒業試験です。悔いのないよう頑張ってきます。

令和2年度司法書士筆記試験合格発表

 去る12/25に今年の司法書士筆記試験の合格発表がありました。

 

H25(参考)

H30

H31・R1

R2

出願者数

(実受験者数)

27,400

(22,494)

17,668

(14,387)

16,811

(13,683)

14,431

(11,494)

筆記合格者数

794

620

606

593

合格率

(実受験者比)

2.8%

(3.5%)

3.5%

(4.3%)

3.6%

(4.4%)

4.1%

(5.2%)

基準点

204.4

187.0

173.5

179.0

合格点

(僕の成績)

221.5

(138.0)

212.5

(213.5)

197.0

 

205.5

上乗せ点

17.5

25.5

23.5

26.5

 合格された皆さま、本当におめでとうございました。特に今年はコロナ禍の影響で本試験が延期になったり、民法の大改正があったりと、非常に困難な受験で、それを突破された皆さまには返す返すも頭が下がる思いです。

 受験者数が激減する中で合格者数がさほど減らないため表面上の合格率は上昇していますが、昔より本試験問題は難しく長文化しているし、今や上乗せ点は択一9問分に達しています。更に今年はコロナ禍による特殊事情もあり、実に厳しい戦いだったと思います。本当に、本当にお疲れさまでした。

 上記の通り、僕は平成30年度に僅か1点差で合格しました。もし平成25年度並の合格率だったら合格者数は500人少々、一方で総合得点別員数表によると僕は632位でしたから当然落ちています。合格者数維持による合格率上昇の恩恵に預かった1人としては「だから最近の合格者はレベルが低いんだよ」なんて謗りを受けないように研鑽を続けていきたいです。

 …などと偉そうなことを言っていますが、実は調査士試験前後から体調を大きく崩して寝込んでしまいました。

 会社も休んだり早退したりで今なお同僚に大変な迷惑を掛けています。十年以上に及ぶ銀行員兼業受験の生活は思った以上に身体を蝕んでいたようで、司法書士試験・認定考査・測量士補試験・土地家屋調査士試験と一連の試験が終わって一気に疲れが出たようです。司法書士試験を終えた後、調子に乗って調査士試験に挑むような無茶はしないほうが良かったかなぁ。

 やりたいことは沢山あるけど今は体調の回復が第一。来月の調査士試験発表が頭の隅で気になりつつも、とりあえずは少し休んでいようと思います。そして元気になったらまた勉強頑張ろう。改正民法を改めて叩き込みたいし、改正会社法も押さえたい。印鑑届出任意化を受けての商業登記規則の改正を初めとするオンライン申請対応にも追いついていかないといけない。目の前には積読がいっぱいです。

調査士本試験終わりました

 本日10月18日、令和2年度の土地家屋調査士本試験を受験してきました。

 アガルートさんの解答速報で採点したら択一18問/20問正解でした(→その後アガルートさんの解答一部変わって見たら20問全問正解!)。マークを見直す時間が全くなかったのでマークミスが不安ですが大健闘だったと思います。

 土地書式は座標計算は正しく、求積や辺長は正しかったのに、幾つか痛恨のミスがありました。建物書式は床面積求積は正しかった一方で、添付書類や建物図面でミスがぽろぽろ。択一で逃げ切り点を稼げたと思います。あとは書式の基準点を超えるかどうか。細かいミスが幾つかあるのでミス1箇所につきどれほど減点されるかというところです。

 思えば昨年の認定考査の勉強をしている2019年4月頃、2020年の調査士受験を目指してまず測量士補試験対策を開始。認定考査の2週間前という鬼スケジュールの測量士補試験を突破して、2019年秋から2020年向け調査士試験対策、と息つく暇もなかったです。

 一方、会社では金融業界の御多聞に漏れず組織再編と人員減が進み、仕事が超が付くほど多忙になっていました。正直、今の仕事量では司法書士試験の兼業受験合格は不可能だったと思います。合格した一昨年が兼業で受かる最後のチャンスだったと言っていいです。
 そして今回の調査士試験対策。仕事が多忙な一方で、国家資格を目指すのは人生でこれが最後と決めていたので、司法書士試験合格後も司法書士試験対策と同等の熱量を注いでおり、本当に、本当にきつかったです。

 結果が分かるのは来年初です。もう疲れ切ったのでまずは休みたい。予備校では来年度向けの中上級講義割引申込みが軒並み始まって行く時期ですが、仮に受験を継続するにしても年内はもう試験対策やりません。それほど燃え尽きました。

 本当にお疲れさまでした!!

 

2020.10.25追記 試験勉強の振り返り

 本試験から1週間。

 実は試験後に体調を崩して寝込んでしまいました。会社も何日か早退する始末で大変申し訳なかったです。それほど試験対策に力を注いできました。

 アガルートの中山先生の合格チャンネル動画を拝見したら基準点・合格点の予想をされていました。択一13問(32.5点)+記述(29点)+上乗せ点11.5点=合格点73.0点との予想でした。記述の基準点が低いことを祈ります。

 LECの先生が記憶が鮮明なうちの試験勉強の振り返りを勧めていたので少し振り返ってみようと思います。

 まず択一。満点取れたので結果としては良かったですが、司法書士試験勉強の蓄積が随分活きたので、調査士試験プロパーの勉強としては不足してました。過去問10年位を回すだけでは現代の調査士試験においては逃げ切り点を取れないかもしれないです。

 次に記述。反省点が多いです。先ずは演習量が圧倒的に足りない。過去問10年分すら回しきれませんでした。試験会場の緊張の中でミスを減らすには「なすべき登記が分かったら考えずに手が動く」レベルにならないとダメですね。既に何を書いたか記憶があやふやなくらいなのでぶっつけ本番感が否めないです。

 合否の分かれ目となるだろう土地書式のG点、H点の座標が出たのは偶然に近いです。分割して合併する部分が平行四辺形になるとこまでは傾きの計算で分かっていました。それが実は長方形であることに気づけばG点H点は簡単に求めることができます。僕は他に導出材料が見当たらないところからこの平行四辺形が長方形でなければG点H点を求めることができない、だから長方形に違いない、と逆に決め打ちして計算を進めたのです。酷い決め打ちでしたが結果として正しかった。算出結果、面積も正しかったので結果として平行四辺形の角が直角だったことを後から確認しました。

 ただ試験後の様々な情報に接するに、小さなミスが多く今回基準点には達してない気がしますね・・・。

 最後に総合面。択一も記述も「量が不足」でしたし、回す教材も途中で変えたりして勉強法を確立するのが7月頃になってしまったのが反省点です。しかし自分の可処分時間をほぼ完全に勉強に当てられたと思うし「これ以上はやれなかった」と言い切れます。これでダメだったらもうしょうがないと「やりきった感」があるのは良かったです。あとは結果が伴うのを祈るのみです。

 

調査士試験出願しました

 昨日、令和2年度土地家屋調査士試験の出願をしてきました。何年もかけた司法書士試験と異なり、調査士試験は無謀にも一発合格を目指しています。その理由は「合格点を取るために一点集中してゆく受験勉強」に五十路を迎えようとしている心身が耐えられなくなってきたことです。資格試験はこれで卒業し、早く実務の世界に入って行きたいというところ。
 しかしこの試験、そんなに甘くないというのを痛感しています。合格するには択一は約9割の出来、書式も約7割の出来が必要です。過去問は一応一通り回したのですが、始まったLECのファイナル答練はなかなか厳しい成績です。あと2ヶ月でどこまで仕上げられるか、正直雲行き怪しいですが頑張ります。

  受験は苦しいけど「勉強できる」「受験できる」というのは実は幸せなことです。昨今のコロナ禍で平穏な日々の有難みを嫌というほど痛感しています。平穏な日々を過ごすには自分自身や肉親の健康状態、勤めている会社の仕事の状態など幾つかの幸運が重なる必要があります。(平成29年度の司法書士試験は直前にまさかの転勤があり仕事が繁忙を極め、貴重な直前期をほぼ無勉強で迎えたせいか無念の結果でした。)本試験まで公私とも平穏に過ごせることを祈りたいです。

 出願した日は折りしも改正司法書士法の施行日でした。

 日司連のHPには会長声明が掲載されています。「法律事務の専門家として国民の権利を擁護し,もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とすることが明らかにされるに至った。」ということで司法書士業界はより襟を正しつつ、さぞや盛り上がって行くことだろうと信じます。僕も将来、斯業界の末席に加われたらと期待に胸が膨らむ思いです。

 ただ「法律事務」という文言を拡大解釈するのは要注意です。非弁活動を禁じる弁護士法第72条にも同じ文言が使われているからです。

司法書士法第1条

司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。

弁護士法第72条

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 全くの憶測ですが、司法書士法改正に当たり、事前に日弁連との間では話がついている筈で、この改正を容認した彼らが重視したのは第1条の「この法律の定めるところによりその業務とする」の限定文言の筈です。この使命規定において司法書士は「あくまで司法書士法が許容する範囲内での法律事務」の専門家ですよ、と言っているのです。もちろん「法が許容する範囲」といってもその業務は広範な領域に及んでいるわけですが。

各種試験日程が決まりました

 いよいよ今年度の司法書士試験は9月27日(日)[願書提出~8/4]、土地家屋調査士試験は予定通り10月18日(日)[願書提出7/27~8/7]に決まりました。ちなみに認定考査は8月30日(日)です。昨今のコロナ再燃状況を鑑みると更なる変更の可能性もゼロではありませんが、まずはこのゴールへ向けて受験生は直前期を迎えることになります。新たに設定された司法書士試験の試験日は例年なら筆記試験合格発表の時期で、合格発表はなんと年を越してしまいます。通常、年内にはブロック研修が終わり、1月は中央研修、そして特別研修が始まって行くような時期です。今年度合格者の研修日程は一体どうなるのでしょうか・・・。

 さて、調査士試験。試験日程自体は予定通りでも、午前科目免除のための測量士(補)試験日程が11月22日にずれ込んだため、今年は同じ年に測量士補合格→調査士受験というコースが封じられました。僕自身は昨年、ダブル合格は無理と早々に諦めて測量士補だけ受験し合格したお陰で今年の調査士試験を受験できますが、今年の調査士試験は午前試験挑戦組と複数年受験組という気合の入った者同士の戦いになるのではと恐れています。

 LECではファイナル答練が始まりました。早速解き始めたところ全然手応えなくて、本当に間に合うのか心配です。実感として勉強量が圧倒的に足りてないです。司法書士試験受験時代と同じように、可処分時間でやれることを淡々とやるだけですね。あ、願書出す準備しなくちゃ。

コロナ後の世界

 コロナ禍で仕事・生活の変化が起きています。

 うちの会社はリモートワークに対応しておらず、形ばかりの自宅待機で凌いでいます。現場は少ない人数で戦場のような忙しさですが「コロナ対策」の大義名分の前にはどんな無理も通る感じです。リモートワークに対応できた企業では特にそうでしょうが「実は余剰だった人材・業務」が炙り出されて、更なるコスト削減が進むことでしょう。
 かつて「テロ対策」で駅のごみ箱が撤去されたり「環境対策」でそれまで車で配送していた宅配を自転車(=人力!)で配送したり、レジ袋が有料化(今回は更に進んで紙袋まで!)されたりしました。各種「対策」の中には本当に効果があるのか検証されないまま、体よく「コスト削減」が推し進められただけなものもあります。(エコバッグは却って不衛生という意見もあるほど。)リモートワークは感染防止というより固定費削減の狙いが主かもしれません。過度なコスト削減で現場は火の車です。

 「コロナ後」では対面のやりとりを削減します。非対面取引が増えれば顧客とのやりとりは記録(証拠)に残せるし、その場で即断即答を迫られることも減ってきます。上場企業ではオンラインを活用した株主総会が模索されているようで、これも上手く行けば議場を荒らす総会屋対策にも奏功するかもしれません。
 ただ、これは単に僕の接客能力が低いだけでしょうが、対面取引では腹を割った話をし辛く感じます。対面だからこそ通じる何かがあるような気がするし、仮に対面でもお互いマスクで表情を隠したうえに衝立越しに話しても果たして相手にどれだけ伝わるのか不安です。とは言うもののこのご時勢、それは長年「口八丁」の金融マンをやってきた者の言い訳になってしまうのでしょうね。

 対面のやりとりの削減といえば、コロナ感染防止のため老親が入っている施設で家族の訪問が禁止されて久しいです。後見業務を行う本職も同様なのでしょうか。週末の家族の訪問だけが生きるよすがだろうに3ヶ月以上も家族との会話がない。果たして認知能力は、人格は残っているのか。とても、とても心配しています。

 

 ところで、ついに今年の司法書士試験は延期されてしまいました。時期は未定ながら法務省が「余裕を持ったスケジュールにする」と言っていること、通常願書受付が5月上旬で本試験が7月上旬で実施に2ヶ月はかかることを鑑みれば、早くても秋以降でしょうか?。今年の受験生は稀に見る過酷な状況で本当に辛かろうと思います。ここを乗り切って試験会場にたどり着いた受験生は、それだけで僕は敬服に値すると思います。
 一方、そもそも秋実施予定の土地家屋調査士試験の方はどうでしょう。法務省からは何の発表も無いので、予定通り10月実施と仮定して準備をしています。実はあと4ヶ月という直前期に差しかかろうとしています。正直勉強は捗っていません。上記の通り仕事が多忙を極めて疲労困憊していることが大きいです。そんな中でもなんとか択一過去問は4周、書式過去問は1周しました。択一は6割位の仕上がり、書式は壊滅的なので頑張らなくちゃ。今年の司法書士試験受験生に比べたら幸せなんですから。